10/29/2019

U.S. Polo Assn.は、数十億ドル規模ブランドへと成長した当社における女性エンパワーメントの役割について語り、なぜポロが「同等のスポーツ」であるかについて解説します。
男女平等という問題は議論を巻き起こす問題ですが、ポロというスポーツにおいてはそうではありません。2,600年もの歴史を誇るスポーツについて、米国ポロ協会(USPA)と独自のグローバルライフスタイルアパレル&アクセサリーブランドであるU.S. Polo Assn.は、男女平等および女性のエンパワーメントに関して、現代的な見方を共同で促進しています。
1981年のブランドの創業以来、ブランドリーチはポロというスポーツに留まらず、小売業界においても強い影響力を持つ存在となりました。2018年、U.S. Polo Assn.の世界売上高は17億ドルに達しました。この成果の大部分は、インド、中国、ロシアにおける急速かつ戦略的な国際的事業拡大と、東ヨーロッパと中東地域全体の成長に起因するものだ、とU.S. Polo Assn.の全世界における独占ライセンサーであるUSPA Global Licensing Inc.の社長兼最高経営責任者、J. Michael Prince(J.マイケル・プリンス氏)は言います。 「ブランドは、今年、全世界の90%の国々でプレゼンスを確立しています。」 これは、新しいグローバルサイト(uspoloassnglobal.com)の開設直後の成果であり、サイトは今後24カ月間にわたって、約100カ国で、世界の異なる地域を代表する少なくとも15の言語でアクセスできるよう展開していきます。今現在、世界各地にあるU.S. Polo Assn.の店舗数は1,100店舗にのぼります。
ウェストパームビーチに本社を置くU.S. Polo Assn.は、USPAのスポーツに関する非営利の運営組織である米国ポロ協会(USPA)の子会社で、営利法人であるUSPA Global Licensing Inc.(USPAGL)によって管理されています。 一方、U.S. Polo Assn.は協会に対し、ポロというスポーツ、様々な取り組み、販促活動への資金提供だけでなく、ポロ・アスリートのサポートや若いアスリートの育成支援に携わり、未来の世代へ、男女関係なくこのスポーツを推進することがねらいです。
歴史的には、ポロにおいて平等性を重視し働きかけた女性たちがいました。彼女らは、70年代後半には、運営組織のメンバーとして活躍していました 。男女共同のスポーツであるポロは、女性、男性が競技場で共にプレーします。すなわち、男女関係なく同じルールが、毎回の対戦で適用されます。ポロプレーヤーであり、U.S. Polo Assn.の最初の女性ブランドアンバサダーであるAshley Busch(アシュリー・ブッシュ)は、馬の多いバージニア州出身で、幼い頃にポロというスポーツに惹かれたと言います。「11歳になったときにポロを試した瞬間から、夢中になりました」と、ブッシュは言います。「ポロは本当に家族向けのスポーツと言えます。子供、配偶者など家族全員が一緒に楽しめる、数少ないスポーツの一つです。また、フィールドで競技する全員が同等になれる数少ないスポーツの一つでもあります。男性であれ女性であれ、目標や評価があろうとなかろうと、フィールドに出てプレーすれば、皆同等なのです。」
ブッシュは、女性によるポロが、特に過去数年間にわたって急速に成長していることを強調しています。今現在、米国内のポロプレーヤーの約40%は女性です。「ポロや荒っぽいスポーツは男性のものと関連付けられることがほとんどですから、これは驚くべきことですが、これは力を与えてくれる数字だと思います。フィールドにいるたくさんの男性に紛れてたった一人の女性プレーヤーであることは、厳しく、上手く戦い、素早く動くことを期待されているのです」と彼女は説明します。
ブランドの一際大胆でカラフルなデザインとマーチャンダイジング戦略は、ポロライフスタイルから純粋にエンパワーメントを求める女性のコンシューマーを引き付けることを目的としています。U.S. Polo Assn.の北米ライセンシーであるJRA Trademarkの社長兼最高経営責任者、Cliff Lelonek(クリフ・レロネク)氏は、WWDに次にように語りました。「我々の女性コンシューマーは運動能力に優れ、活気を持っている人です。カラフルで快適で、フィット感に優れている理由から、私たちのブランドを慕ってくれているのです。」 レロネク氏はこう続けます。「私たちは彼女たちのライフスタイルに合う様々なスポーツウェア、アクティブウェア、そしてあらゆる用品を生産開発しています。ブランドは 伝統的な美しさであるアメリカーナとして認知されています。当社の国内にあるリテールショップおよびデパートでは、当社のスタイルと真正性において誇りに思っています。」
USPAGLがパームビーチ郡観光協議会と提携し、 昨年9月に放映された「Women in Polo: The Palm Beaches」というタイトルのTV・デジタル番組のスポンサーとなったのもこの理由からです。この30分間の番組では、さまざまな年齢層や背景を持つ6人の女性ポロプレーヤーにスポットが当てられました。この番組の放映は、USPAGLのウィメンズ・イニシアチブの導入とちょうど重なりました。「Inspiring Others(他者にインスピレーションを与える)」は、女性のポロプレイヤーを讃える長年行ってきたキャンペーンです。キャンペーンは、女性参政権を与えたアメリカ合衆国憲法修正第19条の批准を記念して、「女性の平等の日」に幕を開けました。ブッシュはWWDにこう述べます。「プログラムとキャンペーンは、女性のエンパワーメントを促進するだけでなく、 ポロのスポーツだけでなく、女性も競技し、優れたプレーヤーであるということを人々に気づかせる特別なチャンスだと思います。」
U.S. Polo Assn.の「Live Authentically(自分らしく生きる)」という格言がまさにその通りで、キャンペーンでは、USPA によって正式に制裁されているブランド製品の真正性により、ポロというスポーツへの真の繋がりを促しています。「このブランドキャンペーンにより、本当に自分らしく生きるということを可能にしてくれました」とブッシュは言います。「ただ私が大好きなスポーツに参加できたというだけでなく、ポロスポーツ全体の背後にあったブランドを代表することができました。USPAは125年以上前に設立され、1980年代以来、U.S. Polo Assn.は、主要な小売業者として自らを確立しています。これはスポーツとアパレルブランドが持ちつ持たれつの関係である例であり、フィールドとオフの両方で着用できる数少ないアパレルブランドの一つです。」
ここでは、プリンス氏がイニシアチブとキャンペーンが女性のエンパワーメントとスポーツにおける真正性をどのように促進しているか、 また、男女平等の対話を進展させ続ける計画についてお話します。
WWDスタジオ:Poloは平等のスポーツです。スポーツにおける男女平等の重要性と力学についてどのように説明しますか? それはブランドにどのように影響しますか?
JMP: 女性はポロスポーツにおいて最も急成長しているプレーヤーです。私たちの目標は、女性全体を代表することであり、ポロが男女共同のスポーツであるということを観客と消費者に示すことです。 世界中の名高いポロクラブの多くは(英国、タイ、アルゼンチン、インド、ドバイ、米国など)、現在、女性トッププレーヤーのイベントを企画し、成長させています。この戦略は、スポーツにインスピレーションを受けた当ブランドの価値観と同様に、包括的で親しみやすいスポーツとしてのポロの認識を促進するのに役立ちます。女性アスリートが世界中で 盛り上がりを見せている今こそ、世界トップの女性ポロプレーヤーが輝きを放つ時です。
WWDスタジオ:女性のエンパワーメントは、昨今、注目を浴びている話題です。U.S. Polo Assn.は、これまでどのような方法で女性のスポーツやブランドへの継続的な貢献に対する認識を促してきたのでしょうか。
JMP: 私がこの組織に入った時、大きな可能性のある新しい機会を目にしました。「女性のイニシアチブ」は、女性コンシューマーのニーズに焦点を当てたいという願いから生まれた戦略の一つです。全体として、雑誌や放送メディアイニシアチブ、アパレルスペースの製品開発、女性団体のスポンサーシップを通じて、才能あふれる女性のポロプレーヤーにスポットライトを当てていることに誇りを持っています。
このイニシアチブは1年がかりのプログラムで、ポロスポーツに携わる女性、そして、アパレルカスタマーとしての女性にスポットライトを当てることを目的としています。当社は、ビジネスブランド、デザイン、スポーツマーケティング、ブランドマーケティングの各領域から専門家から成る特別チームを結成し、統一されたアプローチを取りました。私たちの取り組みの1つは、「Women in Polo」という番組の最初の放映でした。このプログラムは、全国放送およびオンラインの配信により、6,000万人を超える家庭に放映されました。 番組では、違いを生み出した先駆者である、アシュレー・ブッシュ(Ashley Busch)や今は亡きサニー・ヘイル(Sunny Hale)など、6人の女性アスリートを紹介しました。このショーのコアメッセージは、これらのトップ女性アスリートは他の男性アスリートと同じように厳しいトレーニングを行い、フィールド内外で手強いプレーヤーだということでした。このキャンペーンは、ハッシュタグ #USPAinspire を通じて検索できます。
当社は女性のポロイベントと提携し、スポーツと女性のブランドの収束に対する意識向上に努めています。例えば、米国オープンウィメンズポロチャンピオンシップ、ウィメンズイーストコーストオープン、タイのクイーンズカップ・ピンクポロ、スーザン・G・コーメン財団とのパートナーシップなどが一例です。
カレッジエイト・イニシアチブにより、若い女性のポロプレーヤーをも支援しています。今年で2年目となるこのプログラムでは、国内の大学ポロクラブのトップ校において、男女のアスリートの競技ウェアの提供支援を行っています。今年のプログラムでは、支援を30校以上の大学ポロクラブへと拡大し、ホワイトパンツ、ポロシャツの提供のほか、それぞれのプログラムへの資金提供も行いました。
インスピレーションを与える女性にフォーカスを当てる外部の取り組みに加え、米国および世界中の女性のビジネスにも目を向け、トレンドに沿ったレディース用品のラインナップや、スポーツインスピレーションを取り入れたルック、カプセルコレクション、そして優れたフィット感と品質を高めるよう取り組んできました
WWDスタジオ:U.S. Polo Assn.はソーシャルメディアをどのように活用し、女性のインフルエンサーを促進およびサポートしているか教えてください。ブランドの「Inspiring Others(他者にインスピレーションを与える)」キャンペーンについて詳しく説明していただけますか?
JMP: 今日、我々のソーシャルメディアには世界中で500万人以上のフォロワーがいます。インフルエンサーとのパートナーシップは、デジタルマーケティング戦略においてますます重要になっています。この戦略は、2017年以来、複数の展開がありました。 アシュリー・ブッシュ(Ashley Busch)などのポロプレーヤーとパートナーになり、グローバルブランドアンバサダーとして起用し、彼女たちのトレーニング、ポロの試合、日頃の生活に徹底的にスポットライトを当てて当社の真正性を示しました。また、シェフ、バーテンダー、美容界の第一人者など、消費者がより親しみやすいインフルエンサーを起用したりもしました。それぞれが、コンテンツを作成する際にU.S. Polo Assn.のブランドの独自の視点を提供し、フォロワーと共有するブランド認識を与えます。「Inspiring Others」キャンペーンに携わっていただいたインフルエンサーは、世界中のさまざまな都市に住み、様々な背景を持っており、これが真正性要因を高めます。
WWDスタジオ:U.S. Polo Assn. の「High Goal(ハイゴール)」エネルギーショップでは、女性のための店内体験を向上させる技術を導入しています。その体験について詳しく説明していただけますか?
JMP: ハイゴールポロはエネルギッシュなゲームで、最高のエリートプレーヤー、最高の馬、そして最も豪華で優れたフィールドで行うのが特徴です。私たちは、このゲームがもたらす心躍るエネルギーを私たちの「ハイゴール」ショップに提供することで、お客様を 引きつけるだけでなく、お客様のエンゲージメントを高めることができると考えています。テクノロジー、素晴らしい製品、個人的なサービス、そしてポロスポーツを通して、実際に商品を手に取ってみたいと店舗を訪れるお客様に、より本物かつ興味深いショッピング体験が提供できるのです。この新しいモデルで、女性も男性も体験にエンゲージするでしょう。
新しいコンセプトのコンシューマーエクスペリエンスについて試し、学習しながら、段階的なアプローチを展開する予定です。フェーズ I は、女性と男性顧客向けの楽しさ、行動およびエンゲージメントです。フェーズ IIは、多くの女性が望むスピードと便利さを実現する技術の活用です。
WWDスタジオ:U.S. Polo Assn.の今後については?
JMP: 私たちは、Gauntlet of PoloTMを 初年度以上に心を弾ませています。Gauntlet of Poloでは、女性のプレーヤーやパトロンにスポットライトを当てるだけでなく、ポロスポーツ史上最高の賞金額100万ドルが提供されます。この競技大会はポロシーズンの開始時である1月から始まり、ポロチャンピオンシップの頂点である優勝者を決める3トーナメントシリーズです。U.S. Polo Assn.は、試合およびプレーヤーの競技ウェアのスポンサーとなります。私たちは、USPAと提携しこのようなエキサイティングで有意義なトーナメントのスポンサーになれることを誇りに思います。USPAはこの壮大で歴史的なスポーツの参加や観戦の促進に努める方針です。2019年には、世界中で400万人以上のビューアーがトーナメント・ファイナルを観戦しました!
ウィメンズイニシアチブキャンペーンおよびカレッジエイトプログラムを拡大する予定です。 さらに、グローバル・アンバサダー・プログラムに、新しく多様性に富んだプレーヤーの起用を進め、より親しみやすい視点を提供するだけでなく、ソーシャルメディアやグローバル写真撮影プログラムにおいてスポーツの本質を呼び覚ますことができるよう努めていきます。
また、いくつかの困難な小売環境もありますが、店舗数拡大に積極的に焦点を当てていく方針です。実際、2020年の終わりまでに100店舗追加し、全体で1200店舗まで増大させるという目標は順調に進んでいます。当社はまた、英国ですでに公開した新しいグローバルブランドサイト(uspoloassnglobal.com)を世界的に拡大していくというデジタル戦略に焦点を当てて一層目標達成を加速させます。今後、イタリア、日本、南米で展開する予定です。100カ国での展開を目標としており、これは当社ブランドのデジタル変革に対する最も野心的な試みと言えます。