12/4/2019

昨年、United States Polo Association Global Licensing(USPAGL)の社長兼CEOである J. Michael Prince(J.マイケル・プリンス)氏が、クリエイティブチームを率いてマイアミにある高級なAventuraモールを訪れました。USPAGLは、数十億ドル規模のUSPAオフィシャルブランドであるU.S. Polo Assn.の世界的なライセンサーです。 プリンス氏はこの訪問でクリエイティブなインスピレーションを求めていました。180カ国にある1,100店舗の小売店に新しいアイデアを吹き込みたかったのです。革新的な製品、最先端テクノロジー、素晴らしい消費者体験を見ることを期待していましたが、実際、この訪問は、一つの例外を除きほとんど無駄でした。その例外とは、彼は自分がインスピレーションを受けなかったという事実にインスピレーションを受けたことです。ウェストパームビーチのグローバル本社での対談で次のように述べています。「多くの小売店が、過剰在庫、数少ない顧客、モチベーションのないスタッフといった問題を抱えていることを目にしました。全体的な消費者体験を実際に改善させようとしているブランドは数少ないことに気づいたのです。」
体験を創ること
U.S. Polo Assn.は、最近、NFL、NBA、およびMLBに続く第4番目に大きなグローバル・スポーツ・ライセンサーとして認められました。ブランドは世界的売上高で25億ドルを達成するロードマップを策定しましたが、この計画には500店の新店舗が含まれています。プリンス氏と彼のチームは、「ハイゴール」エネルギーストアと呼ぶ、革新的なコンセプトに取り組んでいます。ハイゴールとは、ポロスポーツにおいて最高の競技体験を意味します。世界最高峰のポロフィールドで最高に優秀な馬を起用し、トッププレーヤーが競技する試合です。新しいハイゴールの店舗は、革新的な製品や技術を通じて、世界中の消費者をポロスポーツやU.S. Polo Assn.に惹きつける目的で、主要な都市部のミレニアル世代をターゲットとしています。液晶画面でのポロ競技のライブストリーミングをはじめ、鮮やかなアパレルを展示するための自動回転ホイール、また、その他のインタラクティブな仕組みを導入して、買い物客に刺激的なスポーツを体験してもらうのが狙いです。「ポロを観戦するとわかりますが、活気づいているプレーヤー、颯爽と走る馬、毎時100マイルで飛ぶ球など、観客は興奮と活気で満たされるのです」とプリンス氏は言います。「私たちは、小売環境にも同じような素晴らしい体験をもたらしたいと考えています。」
タイムライン
最初のハイゴール店舗は、世界のイノベーションハブの1つとして認識されている中国の杭州市でオープンする予定です。その後、2020年にイスタンブール、ムンバイ、ニューヨークに店舗を展開する予定です。それぞれの店舗は1,000平方フィートの広さとなります。「スペースが広すぎると、もの足りなく、活気がないと感じます」とプリンス氏は語ります。「コンパクトなコンセプトにより、消費者とスタッフのより親密なエンゲージメントを可能にします。」 各店舗内に導入されるハイエンゲージメント要素には、自撮りできるセルフィースポットや、新しいスタイルを試すための全身を映すインタラクティブなミラーなどがあります。最終的に、プリンス氏は製品をカスタマイズできるコーナーや、素早い、すさまじいポロスポーツを体験してもらうバーチャル・リアリティコーナーの設置を計画しています。 2019年、小売店舗の閉店が過去最多となるなか、プリンス氏はこの流動的な市場で拡大を図っています。小売業者は、オンラインショッピングに闘う、また、オンラインショッピングをうまく利用する新しい方法を模索しています。業界に楽観的考えを与えているのは「プリテール」へのシフトです。この概念は、買い物客はまず店舗を訪れ、体験的要素に参加し、アイテムがどのように見られるかを確認してから、オンラインで注文する、という流れです。また、U.S. Polo Assn.は、ハイゴールの旗艦店の要素の一部をブランドのアウトレットストアの多くにも導入する予定で、アウトレットの消費者にも同様の体験を提供するという、これまでにはない戦略も取る考えでいます。プリンス氏によると、「ポロスポーツを初めて見る、あるいはソーシャルメディア用の写真を投稿する、鮮やかな色のポロシャツを購入するなど、どんな体験であっても、U.S. Polo Assn.を通じて消費者の小売体験に革命をもたらし、また、ポロスポーツへの真のつながりをもたらすことが、私たちの目標です。」